どうなる?美容サービス広告。美容医療のビフォーアフター広告規制

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美容サービス広告に使われる美容医療のビフォーアフター写真のイメージ図

寝ぼけ眼で美容医療トラブルで広告規制ってニュースを目にする

※この記事は法律のど素人がインターネットにある情報や専門機関への問い合わせを元に書いた記事です。
その点をご承知いただいた上でご覧ください。

2017年10月26日の朝、こんな記事を見かけました。

「プチ整形」や「脂肪吸引」といった美容医療サービスの誇大広告などをきっかけに消費者トラブルが相次ぐ事態を受け、厚生労働省は25日、医療機関の広告規制を見直し、「ビフォー・アフター」として効果をうたった術前術後の写真掲載を原則禁止する方針を固めた。

時事ドットコム「ビフォー・アフター」原則禁止に=美容医療トラブルで広告規制-厚労省方針

とりあえず、「へ〜」でこの時は終了。朝はいつもバタバタでございますのよ。
その後、子供を保育園に送る車のラジオからこれ関連のニュースを耳にした時「あれ?昔からそうじゃなかったっけ?」という疑問があたまをよぎりました。

そもそも医療機関の広告は医療法により厳しく規制されています。

○医療法施行規則(昭和二十三年十一月五日厚生省令第五十号)抜粋
第一条の九 法第六条の五第四項 及び第六条の七第三項の規定による広告の内容及び方法の基準は、次のとおりとする。


一 他の病院、診療所又は助産所と比較して優良である旨を広告してはならないこと
二 誇大な広告を行つてはならないこと
三 客観的事実であることを証明することができない内容の広告を行つてはならないこと
四 公の秩序又は善良の風俗に反する内容の広告を行つてはならないこと
 

厚生労働省 医療法施行規則(昭和23年厚生症例第50号)(抜粋) (外部サイトPDF)

やはり、私の親が生まれる前からなかなか厳しい規則が決まっています。

参考までにこちらもどうぞ
医療広告ガイドラインに関するQ&A(事例集)(外部サイトPDF)

ちなみに「芸能プロダクション提携クリニック」とか出すのも禁止です。

なんで今さら「美容医療広告規制」なんてニュースに流れるの?という疑問。

いわゆる「物は言いよう見出しマジック」なのかな?とも思ったわけですが、もう少し詳しく調べてみました。

調べてみると、2017年6月の医療法改正に伴い、これまで表現規制の対象外だった医療機関のホームページでも虚偽や誇大広告表現を禁止することが決まり、具体的な規制内容を討論会で議論していたそうなんです。

この議論の末、今回の報道のような方針決定に至ったということみたいですね。

平成29年医療法改正の概要 (外部サイトPDF)

つまり今まではホームページは規制対象外だったつう事か・・・

インターネットが日本に登場し「Yahoo!JAPAN」がサービスを開始したのが1996年、これが21年前の話ですよ。バブ〜!っと生まれて成人しますよ。のんびりさんだなぁ、法律。今までも禁止だったけれど、グレーゾーンというか野放しにされていた部分にメスが入ったという感じみたいですね。

以前勤めていた会社ではホームページ制作よりもチラシや看板などを多く制作していたので、ちょっとごっちゃになっていたようです。反省(おかげで規制対象になるような写真をホームページに使わずに済みましたが)。

ではこの日本からビフォーアフター写真は消えるか?

そういうわけではありません。学会などが掲載する写真は受診を誘引しないとして認められるそうです。つうことは、医療機関のホームページから学会のビフォーアフター写真が掲載されているページにリンクするのはOKなのかな・・・(現在確認中です)

ところで、医療よりも圧倒的に多い美容サービスのビフォーアフター写真はどうなるの?

今回主にニュースで報じられたのは「美容医療」について。そこで気になるのがエステティックサロンをはじめとする「美容サービス」についてです。

ちなみに私はWebサイト製作者。エステティックサロンをはじめ美容サービスのWebサイト制作もに携わらせていただいております。なんかとても不安になってきたじゃありませんか。ここは確認せねば。

前述したように医療機関の広告は医療法により厳しく制限されていて、テレビCMや折り込み広告・看板や雑誌広告、それに加えホームページ(つかWebサイトよね)でのビフォーアフター写真の掲載はNGです。

でもエステは?エステは医療行為ではありません。でもいろんな法律が関係してくるんですね。

エステティックサービス業が深く関わる法律としては薬機法、景品表示法、特定商取引法、このほかにも衛生法規、割賦販売法、公衆浴場法、消費者契約法と、なんかもうよくわかりません。

え〜っと・・・これを熟読しこの記事にまとめ上げるような能力を私は持ち合わせておりません。もっと言っちゃえば、エステってどこまでがエステよ!つかエステって本来は国家資格必要でしょ!とか、考え出すとキリがないことになります(エステに限らず美容関係の広告文を作るときは薬機法との戦いです)。

ので、単刀直入に専門機関に問い合わせてみることにしました。

電話したのは「公益社団法人 日本広告審査機構(JARO)」様。
午前の電話受付終了時間間近にも関わらず、丁寧にご対応くださりました。

問い合わせ内容はそのまんま。
「エステサロンを含む美容サービス広告でのビフォーアフター写真掲載は可能ですか?」

回答いただいた内容をざざっと掲載します。

  1. エステサロンの広告におけるビフォーアフター写真については
    ただちに問題とはされていない。
  2. 但し、「2週間で20kg痩せる!」のような非現実的な広告はNG。
  3. エステサロンは医療行為ではなくサービスなので主に関連する法律は「景品表示法」。
  4. 景品表示法では高い再現性があるものの掲載は認められている。
  5. 痩身に限らず、大体このくらいは全員再現可能であろうというものに限られる。
  6. 痩身広告の場合、80kgの人が10キロ痩せるのと50kgの人が10kg痩せるのとではわけが違うので、特殊な例を広告に用いるのはNG。
  7. だれでも再現可能な範囲のビフォーアフターの掲載はOKとされ、写真図画共に掲載可能。

とのことでした。JARO様、ありがとうございました。
「直ちに」とか基準がやっぱり解釈に影響される部分なので気になる点は多々ありますが、まぁそんな極端な写真を掲載したケースはなかったはず。これで今まで制作に携わった美容サービス業様へご連絡差し上げずに済みますです、はい。

ちなみに美容サービスの広告に対する規制が美容医療のそれに比べ軽いのは、美容サービスが「特定商取引法」で消費者からのクーリングオフが認められているからなんだとか。・・・つうことは美容整形とかってクーリングオフ効かないってこと?知らんかった。2016年に法改正され施行がまだ?みたいですがよくわかりませんすいません。(これはJARO様に伺った内容ではありませんのであしからず)

さらにふと気になったのが歯列矯正歯科について。

わたし、今歯列矯正中なのですが、矯正の苦痛に耐えるべく毎日「ビフォーアフター写真」を眺めながらモチベーションを保つ日々でございます。そんな写真が消えてしまったらどうしよう!そこでついでにJARO様に聞いてみました。

回答は次の通り。

「医療法」が適応されるのでビフォーアフターは写真図画ともに一切禁止。

だそうです。

・・・そういや私がみてる写真って、googleの画像検索で出てきた写真たちで、個人が上げている報告写真ばかりでした(一部そうじゃないものもありますが・・・見なかったことにします)。・・・んじゃ審美歯科は・・・って止まらなくなるので強制終了します。

まとめ:広告は影響力が強いだけに発信側のモラルと受信側も注意が必要だな

広告を出す側は自分たちの成果を公表したいし、広告を作る側はその成果をより魅力的に表現したいし、広告を見る側はその広告で信頼できるか判断したいし、それぞれの思惑がもつれ合いまくっているわけですね。私は医療・美容関係ではありませんが、広告を出す側でも、作る側でも、見る側でもあります。作る側だから見る側になったとき、「おいおい、こんなんPhotShop先生の仕業じゃんよw」って突っ込んだりもできますが、そうじゃない方が大半なんですよね。今後もWebサイトを作っていく上で、デザインだのだけじゃなく、こういう分野にもちゃんとアンテナ向けておかなきゃな〜っと改めて考えることになりました。

ちなみに厚労省のWebサイトでこんなのを発見しました。
医療機関ネットパトロール(外部サイト)

医療機関のWebサイトに嘘や大げさな表示があったら、ここに情報を寄せると対応してくれるみたいです。

わお。たずさわるホームページやWebサービスたちが通報されないように気をつけますです、はい。

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